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2011年2月 6日 (日)

三屋清左衛門残日録・藤沢周平

藤沢周平の長編傑作「蝉しぐれ」の対となる?傑作「三屋清左衛門残日録」を久しぶりに読み返してみました。

舞台の名前は出て来なかった気がしますがこれも海坂藩なのでしょうね。
主人公三屋清左衛門は職を辞して隠居の身。
3年前に妻を亡くしてから、隠居して悠々自適の日々を送りたいと強く望んでいたのですが、実際の隠居生活は想像していたのと勝手が違うようです。

「残日録」の冒頭は清左衛門の隠居生活のとまどいから入っていきます。
「この空白感はなんじゃ?」→「新しい暮らしと習慣で埋めていくしかないぞ」との決意のもと、徐々に隠居生活にも馴染んできた頃、公私さまざまな問題がこのご隠居の所に持ち込まれて、ストーリーは展開していくのです。

「蝉しぐれ」の描写はある種の緊張感を漂わせていますが、こちら「残日録」はご隠居の生き方に呼応するのか飄然とした雰囲気が魅力です。(とは言っても若かりし頃の自責の念や悔恨やらのお話しも当然あるんですけどね……)

びっくりしたこと、二つ。
清左衛門さんは隠居というから「どんな歳?」と思ったら52歳だって。
52歳でこの老成……時代が違うとはいえ、60過ぎても毎日毎日右往左往している私って……(^^;

この「三屋清左衛門残日録」と「蝉しぐれ」は同時期に書かれた作品だとか。
作家ってこういう作品を同時進行で書いているんですね。すごいものです。

4167192276 三屋清左衛門残日録 (文春文庫)
藤沢 周平
文藝春秋 1992-09

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