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2011年9月 5日 (月)

島津奔る・池宮彰一郎

まずは朝鮮出兵での島津勢のいくさぶりに度肝を抜かれます。

「石曼子(シーマンズ)」
以来、彼の地においては、その名は鬼神の如く怖れられ、数百年にわたって、「石曼子来る」と言えば、泣く子も黙ると語り伝えられた。

そして、戦国末期の歴史を薩摩島津の側から描いていきます。
クライマックスは勝敗の決した関ヶ原の戦いで東軍のど真ん中を突っ走る島津勢の退却行……いやはや凄まじいです。

「島津奔る」……退却行でも島津勢は奔りますが、涙なしに読めないのは下巻の頭。
下級武士達が【
殿様(とのさあ)のお命危なか御難儀】に本土の南端鹿児島から、中央の関ヶ原まで走る、走る。
その先に待ち受けているものは【
屍山血河の戦場
領内の地頭・衆中、上方の情勢急迫を聞いて、主命を待たず、疾走しあり】……想像を絶します。

これは島津義弘にスポットライトを当てた小説ですから、関ヶ原の戦いの両雄、家康・三成の小さいこと、小さいこと。

さすがシナリオライター出身の作者ですね、関ヶ原の映像が目に見えるようです。
上下巻、一気に読みました。

4103872055 島津奔る〈上巻〉
池宮 彰一郎
新潮社 1998-12

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コメント

おぉ、次はこちらを借りなくては。

家康さん上下読みました。
下は最後を随分はしょってますね。
その中で島津の勇猛果敢な描写が有りましたが、今度は中心になる物語ですか。

若いころの職場の近くに、家康さんの人質時代に勉強したと言うお寺が有り、お勉強したと言う部屋を見た事が有ります。
狭くて薄暗い所でした。
艱難辛苦と言うか、こう云う所で、何時か自立とと思って秘める物が育ったのかなと思っていました。
私鉄の駅近くには、家康さんの母方のおばあさまのお墓も有りました。

日本平も身近な所で、出て来る地名が馴染みの所が多くて、移動した所をなぞる事が出来ました。
家康さんが駿府(静岡)への執着が分かる様な温暖で良い所です。


投稿: 山百合子 | 2011年9月 5日 (月) 19:41

山百合子さん

家康さんゆかりの地をご存じの山百合さんにとって「遁げろ家康」のあのキャラはどういう感じなのでしょう?
家臣団とのやりとり等、「家康さん、ずいぶんコケにされているなぁ。大丈夫?」って心配しちゃいましたよ(^^;

こちら「島津奔る」でも立派な天下人って描き方ではないような……でも「遁げろ家康」ほど極端な人物設定ではありません。

三成さんは辛辣に描かれてますねぇ。
三成=官僚って描き方で官僚を相当嫌っているようです。

島津って幕末の西郷隆盛くらいしか知らなかったのですが、義弘さんはスーパーヒーローなんですね。

面白い小説でした。

投稿: トラベエ | 2011年9月 5日 (月) 21:40

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