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2014年7月27日 (日)

八月の六日間・北村薫

久しぶりに北村薫さんの本を読みました。
5つの山を登る女性単独行のお話です。

北村さんって、私のイメージでは登山とは無縁な感じなので、「どんな小説になるの?」って興味で手に取ってみました。

作者がここに出て来る山を実際に歩いているのかどうかは知りませんが、流石はプロの小説家ですね、ガイドブックに勝るとも劣らない現地のリアルさを感じました。

北村作品に出てくる女性特有の凜としたもの、賢さや上品さも健在。
それでも主人公は完璧ではないし、弱さも脆さも併せ持っている女性です。

主人公が苦しいこと、辛いことの経験や記憶を乗り越えて前に進んでいくには、時間や人の支えや喪失感を埋める体験が必要なのでしょう。
山を一人で歩きながら過去の諸々を回想するシーンが興味深かったです。

これは小説なのだから、私の山歩きと比較するのは野暮ですけど……
私の場合は「山頂はまだか?」、「腹減った!」、「バテバテだ!」「アッチィなぁ」、「サミィなぁ」etc.と即物的ですね。
でも、たまぁーに頭の中で過去のよしなしごとが駆け回ることがあります(あまり楽しくない記憶が多いかも?)
あぁ、私は単独行はほとんどないから、一人になったらまた違うものが頭の中に浮かぶのかな?
それも興味深いような怖いような……

北村さんの作品は読みやすいのでサラッと読んでしまいましたが、意味深なことも書いてあったのかも?
ガイドブック代わりに読んじゃもったいないですね。
時を置いて、また、読んでみましょうか。

PS
先日読んだ笹本稜平さんの「春を背負って」(映画館になかなか行けないです)でも感じたのですが、昔読んだ新田次郎に代表される所謂山岳小説と最近の山を題材とする本は雰囲気が違うのですね。
そんなことも面白かったです。

4041015545 八月の六日間
北村 薫 謡口 早苗
KADOKAWA/角川書店  2014-05-29

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コメント

こちらで見て、図書館にリクエストしてやっと借りられました。
さらっと読めましたが、深くて良い話も一杯有り面白かったです。
新田次郎の山の本は別世界の事みたいですが、こちらは行ける行けないは別にしてぐっと身近な感じです。

春を背負っては映画に行きそびれましたから読んで見よう。

投稿: 山百合子 | 2014年8月28日 (木) 22:20

山百合子さん

私も図書館の本でした。
当方ではその場ですぐに借りられました。
そちらの図書館は読者数が多いんですかね?

さらっと読める本ですよね。
新田次郎の本などと比べることもないのでしょうが、北村さんのソフトな感じ、新田さんのゴツゴツした感じ……本も色々あって面白いですね。

投稿: トラベエ | 2014年8月29日 (金) 09:13

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